虎御前山(読み)とらごぜんやま

日本歴史地名大系 「虎御前山」の解説

虎御前山
とらごぜんやま

中野なかの別所べつしよ河毛かわけ(現湖北町)集落に囲まれた山で、織田信長小谷おだに(現同上)攻撃の拠点となった。標高は二〇八・七メートル。虎姫山とも称する。山名はせせらぎ長者の妻となった虎御前にちなむとされる(輿地志略)。元亀元年(一五七〇)六月二一日、信長浅井長政の居城小谷城に南面する「虎後前山」に陣し、柴田勝家・木下藤吉郎らに「在々所々谷々入々迄」焼払うよう命じた(信長公記)。同月二八日の姉川の戦で浅井氏が敗退したのち、信長の真宗門徒弾圧に不安を抱いていた摂津石山本願寺顕如は、浅井氏と呼応し(同年九月一〇日「浅井長政父子宛書状」東浅井郡志)、翌年八月一五日の浅井長政父子宛書状(同書)に当山をさして「敵対城」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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