藤和田園(読み)ふじわだのその

日本歴史地名大系 「藤和田園」の解説

藤和田園
ふじわだのその

木津きづ川の右岸近世の藤和田村(御牧郷内)に比定される石清水いわしみず八幡宮領の菜園。近世の地誌「山州名跡志」に「藤和田ふぢわだ所名 在同所坤 此所春日神木ニ藤アリ仍テ為地名」とある。

この藤和田の地が史料に現れる早い例は、仁治三年(一二四二)九月二五日付の家田宝清処分状(石清水文書)で「譲与 処分 弟子権別当権少僧都宮清事等」として書き上げられた諸荘のうちに「山城国藤和田薗故明円之後家并任明寄進之」があり、藤和田園は、明円後家並びに任明により寄進されたもので、この時石清水八幡宮寺別当であった宝清が弟子の宮清に譲与している。

文永一一年(一二七四)七月日付の後善法寺宮清処分帳(同文書)によれば、宮清から尚清へ伝領され、永仁五年(一二九七)六月の尚清処分帳(同文書)で「藤輪田同屋々敷并別相伝御馬料田」が権別当肇清に譲られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報