薩摩見聞記(読み)さつまけんぶんき

日本歴史地名大系 「薩摩見聞記」の解説

薩摩見聞記
さつまけんぶんき

一冊 本富安四郎著

成立 明治三一年

原本 新潟県立長岡高等学校

解説 明治二二―二五年にかけて南伊佐郡宮之城村(現宮之城町)の盈進小学校で校長を勤めた本富安四郎(旧越後長岡藩士)が退職後上京して、鹿児島での見聞や体験をもとに著した。内容は土地・気候・歴史・人物・年中行事・葬婚・遊戯・歌舞音曲・訪問・宴会・飲食物・旅店・浴場貧富・言語・邦制・士平民・交通・教育・風儀・宗教農産物の二二項目からなる。明治中期になっても江戸時代といくらも変わるところのなかった鹿児島県の地方郷村の人々の生活や社会および鹿児島の習俗や士風などに直接触れ、的確な観察眼と達識をもって記述された精細な記録は、鹿児島藩社会を理解するうえで優れた案内書となっている。

活字本 明治三一年刊(昭和三七年鹿児島県高校歴史部会復刻)・日本庶民生活史料集成一二

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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