落雁・落鴈(読み)らくがん

精選版 日本国語大辞典 「落雁・落鴈」の意味・読み・例文・類語

らく‐がん【落雁・落鴈】

〘名〙
① 池や沼などにおりたつ雁。《季・秋》
※光悦本謡曲・善知鳥(1465頃)「平砂に子をうみて落雁の、はかなや親はかくすとすれど」 〔江総‐贈賀左丞蕭舎人詩〕
干菓子一種。もち米・うるち米・小麦大麦・粟・大豆小豆などの穀物を粉にして、水飴・砂糖水などを加えてねり、型に入れて焙炉(ほいろ)で乾燥させたもの。
俳諧・続山の井(1667)春下「落雁をみせぬかすみや菓子袋〈直久〉」
[語誌](②について) 近松や西鶴の作品では魅力的な菓子として登場するが、現在のものとはやや違っていたようで、「御前菓子秘伝抄」(一七一八)を見ると、干飯を煎り、砂糖蜜でかためたものとある。干飯を煎って粉にしたものは、臼などで挽いたものよりは大粒で、いわゆる「おこし」に近かったものと思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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