焙炉(読み)ホイロ

デジタル大辞泉 「焙炉」の意味・読み・例文・類語

ほい‐ろ【×焙炉】

《「ほい(焙)」は唐音
製茶用の乾燥炉もとは木の枠に厚手の和紙を張ったもので、蒸した茶の葉を炭火で乾燥させながらんだ。 春》「家毎に―の匂ふ狭山かな/虚子
製パン工程生地発酵させるときに用いる保温装置。

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精選版 日本国語大辞典 「焙炉」の意味・読み・例文・類語

ほい‐ろ【焙炉】

〘名〙 (「ほい」は「焙」の唐宋音) 木の枠(わく)や籠(かご)の底に厚手の和紙を張り、炭火を用いて遠火で茶の葉や薬草海苔(のり)などを乾燥させる道具。ほいろう。
※新札往来(1367)上「例深瀬一焙炉茶。不一葉。可容候」
※俳諧・猿蓑(1691)四「山吹宇治の焙炉の匂ふ時〈芭蕉〉」

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食器・調理器具がわかる辞典 「焙炉」の解説

ほいろ【焙炉】

➀茶葉・薬草・海苔(のり)などを下から弱く加熱して乾燥させる道具。元来は木枠や籠(かご)の底に厚手の和紙を張ったもので、炭の遠火で用いた。伝統的な製法では、茶は蒸した茶葉をこの上で手で揉みながら乾燥させる。こんにちでは電気ガスを用いた熱源の上に同様のものを備えた、手揉み工程の作業台もいう。
➁パン生地の発酵などに用いる密閉された保温装置。また、パン生地の最終発酵の工程をいうこともある。◆「ほい」は唐音。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「焙炉」の意味・わかりやすい解説

焙炉
ほいろ

茶、薬草、海苔(のり)などを乾燥させる道具。木の枠や籠(かご)の底に和紙を張り、遠火の炭火を用いる。また、「ほいろう」ともいう。『日葡(にっぽ)辞書』にはFoiroと記され、「茶を焙(ほう)じ煎(い)る所、または、その炉」と解釈している。また、『和漢三才図会(ずえ)』など、江戸時代の辞書類には、茶を焙じることをおもな役目としている。

[森谷尅久・伊東宗裕]


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普及版 字通 「焙炉」の読み・字形・画数・意味

【焙炉】はいろ

焙籠

字通「焙」の項目を見る

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