茅・茅萱・白茅(読み)ちがや

精選版 日本国語大辞典 「茅・茅萱・白茅」の意味・読み・例文・類語

ち‐がや【茅・茅萱・白茅】

〘名〙 イネ科多年草。各地の草地荒地に群生する。高さ約六〇センチメートル。葉は線形で先がとがる。晩春、葉に先だって白い絹状毛を密生した長さ一〇~二〇センチメートルの円柱形の花穂を出す。花穂を「つばな」または「ちばな」といい、古く火口(ほくち)に用いた。根茎利尿剤止血薬などに使用。「千(チ)」のカヤの意で、叢生するさまからこの名がある。漢名、白茅。ち。ふしげちがや。しげちがや。《季・秋》
▼ちがやの花《季・春》
万葉(8C後)一六・三八八七「天(あめ)なるや神楽良(ささら)小野茅草(ちがや)刈り草(かや)刈りばかに鶉(うづら)を立つも」
※俳諧・春鴻句集(1803頃)冬「夕風や茅萱折ふす霜のさへ」

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