苧桶(読み)おおけ

精選版 日本国語大辞典 「苧桶」の意味・読み・例文・類語

お‐おけ ををけ【苧桶】

〘名〙 麻(あさ)の苧(お)(う)み作業のとき、より合わせた苧を入れておく桶。曲物(まげもの)竹籠のものもある。
※俳諧・北国曲(1722)一「なぐさみの苧桶にたまる霖雨哉〈序人〉」

お‐ぼけ を‥【苧桶】

〘名〙 苧(お)を入れる容器。〔浜荻庄内)(1767)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「苧桶」の意味・わかりやすい解説

苧桶
おおけ

草皮(大麻苧麻(ちょま))、樹皮フジシナコウゾなど)の繊維を績(う)んだり、また紬糸(つむぎいと)を紡いだりしたのち、収納しておく容器。「おぼけ」「おごけ」「おんけ」「うみけ」などと各地でよばれ、古くから使用されてきた。もと、いろいろな用途に使用する桶が、苧を収納する専用の桶となり、苧桶となった。おもに、ヒノキを曲げて成形するが、ほかに、ろくろで木をくりぬいたもの、竹籠(たけかご)のものもある。容量は用糸量と関係するので、各地で統一されている。

[角山幸洋]

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