お‐おけ ををけ【苧桶】
〘名〙 麻
(あさ)の苧
(お)績
(う)み作業のとき、より合わせた苧を入れておく桶。
曲物(まげもの)や
竹籠のものもある。
※俳諧・北国曲(1722)一「
なぐさみの苧桶にたまる霖雨哉〈序人〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
苧桶
おおけ
草皮(大麻、苧麻(ちょま))、樹皮(フジ、シナ、コウゾなど)の繊維を績(う)んだり、また紬糸(つむぎいと)を紡いだりしたのち、収納しておく容器。「おぼけ」「おごけ」「おんけ」「うみけ」などと各地でよばれ、古くから使用されてきた。もと、いろいろな用途に使用する桶が、苧を収納する専用の桶となり、苧桶となった。おもに、ヒノキを曲げて成形するが、ほかに、ろくろで木をくりぬいたもの、竹籠(たけかご)のものもある。容量は用糸量と関係するので、各地で統一されている。
[角山幸洋]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例