色素細胞(読み)しきそさいぼう

日本大百科全書(ニッポニカ)「色素細胞」の解説

色素細胞
しきそさいぼう

色素産生、保有し、動物の体色の発現に役だつ細胞をいう。哺乳(ほにゅう)動物では色素細胞というが、両生類などでは色素胞(しきそほう)とよぶ。発生学的には外胚葉(はいよう)性の神経冠に由来する。色素細胞にはいろいろの種類があり、含まれる顆粒(かりゅう)により分類されている。黒色素胞(こくしきそほう)はメラノゾームを含み、脊椎(せきつい)動物では真皮性黒色素胞と表皮性黒色素胞とがある。前者は大形で多数の突起を伸ばし、メラノゾームの拡散、凝集により体色の暗化、明化を現すが、後者はメラニンを産生し、表皮細胞に移送することにより体色を暗化する。黄(おう)色素胞と赤(せき)色素胞は、黄色のカロチノイド小胞と赤色プテリノゾームの両者を含む。白(はく)色素胞と虹(こう)色素胞は、反射小板とよばれるグアニン結晶を含む。エビの仲間には、青・白・赤・黄の4種類の色素顆粒をもつ多色性色素胞が知られている。これは種々の色彩の背地に適応するのに役だっている。

[小林靖夫]

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百科事典マイペディア「色素細胞」の解説

色素細胞【しきそさいぼう】

色素を含み体色発現のもとになる細胞。色素は普通,顆粒(かりゅう)として存在し,溶解している場合もある。色素細胞のうち,大型で樹枝状突起をもつものは色素胞とも呼ばれ,胞内の色素顆粒の分布は刺激(特に光刺激)に応じて可逆的に変化し,体色変化の原因となる。黒色素胞(メラニン),黄色素胞(カロチノイド系の黄色または赤色色素),白色素胞(グアニンなど)に区別される。一般に黒色素胞は脳下垂体中葉の黒色素胞刺激ホルモンによって拡散し,松果体メラトニンによって凝集する。また,魚類や爬虫(はちゅう)類では色素胞神経によって支配されていることが多い。
→関連項目生体色素

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「色素細胞」の解説

色素細胞
しきそさいぼう
pigment cell

細胞内に色素性物質が顆粒状または溶解して存在する細胞の総称。本来はアメーバ運動をして移動する小さな細胞で,魚類や両生類の幼生期にみられる体色発現のもとになる細胞をいう。動物中に広く認められて体色変化で役割を果すものは色素保有細胞 chromatophoreまたは色素胞といい区別するが,広い意味ではすべてを含む。

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精選版 日本国語大辞典「色素細胞」の解説

しきそ‐さいぼう ‥サイバウ【色素細胞】

〘名〙 動物の体色のもととなる色素を含む細胞。多くは大形で、樹枝状の突起をもつ。含まれる色素によって黒色素胞、黄色素胞、グアニン細胞などに分ける。体色変化の原因となるものに、細胞自身が伸縮して体色に濃淡を現わす場合と、細胞中の色素粒の移動によって体色を変える場合とがある。色素胞。〔いのちの科学(1964)〕

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毛髪用語集「色素細胞」の解説

色素細胞

頭髪の色を決めるメラニンをつくり出している細胞。毛乳頭のまわりにある。年齢を重ねていくとメラサイトの機能が弱まり、白髪になると考えらている。

出典 抜け毛・薄毛対策サイト「ふさふさネット」毛髪用語集について 情報

デジタル大辞泉「色素細胞」の解説

しきそ‐さいぼう〔‐サイバウ〕【色素細胞】

色素を産生・保有し、体色を発現するもとになる細胞。

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栄養・生化学辞典「色素細胞」の解説

色素細胞

 →メラニン形成細胞

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