般若・波若(読み)はんにゃ

精選版 日本国語大辞典 「般若・波若」の意味・読み・例文・類語

はんにゃ【般若・波若】

[1] 〘名〙
① (prajñā の音訳。智慧と訳す) 仏語。あらゆる物事の本来のあり方を理解し、仏法の真実の姿をつかむ知性のはたらき。最高の真理を認識する知恵。
※勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章「次一行偈歎波若
② (面打ちの般若坊の始めたというところから) 女性の嫉妬を表わした面。鬼女の面。また、鬼女。般若の面。
古本説話集(1130頃か)五二「候はんあしき物どもはらはんと、はんにゃの仰給つれば」
※雑俳・柳多留‐五七(1811)「もみぢがり今ははんにゃが内でまち」
④ 香木の名。分類は伽羅(きゃら)。香味は辛苦。六十一種名香の一つ。
※建部隆勝香之筆記(香道秘伝所収)(1573)「般若(ハンニャ)、聞黛と同前、上々伽羅焼出しは少あたらしく御座候。火末は似と同前」
⑤ 紋所の一つ。般若の面を図案化したもの。
[2]
※菅家文草(900頃)一・五月、長斎畢、書懐簡諸同舎「初廃声々般若、暫停念々観音
[二] 「はんにゃじ(般若寺)」の略。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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