舌怠(読み)したたるい

精選版 日本国語大辞典 「舌怠」の意味・読み・例文・類語

した‐たる・い【舌怠】

〘形口〙 したたる・し 〘形ク〙
甘味が強すぎる。甘ったるい。
※俳諧・芭蕉葉ぶね(1817)「生姜はしたたるく、番椒はいやしく、山椒はねばく」
② 愛情の表現や甘え方が度を過ぎている。べたべたしている。また、色気たっぷりである。色っぽい。したったるい。
※仮名草子・犬枕(1606頃)「したたるき物 一、相惚(あひぼれ)目元
※人情本・春色辰巳園(1833‐35)三「わざと色気と笑ひをふくみ、さもしたたるく寄り添て」
③ 物の言い方がくどくどしい。くどい。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵天下太平なる哉「文士どのは舌たるい愚痴沢山な自惚(うぬぼれ)やら楽屋落やら列べれば」
④ 物の言い方が舌足らずである。舌のまわりが悪く、物言いがはっきりしない。
※不言不語(1895)〈尾崎紅葉〉一〇「姉様と舌怠(シタタル)く呼びて、懐(なづ)きぬ」
湿気を含んでじめじめしている。汚れて、くたくたになっている。形がくずれている。
※仮名草子・犬枕(1606頃)「したたるき物。〈略〉一、露に汚れたる著物」
したたる‐さ
〘名〙

したっ‐たる・い【舌怠】

〘形口〙 (形容詞「したたるい」の変化した語) =したたるい(舌怠)
※雑俳・柳多留‐四(1769)「しめたあす舌ったるいか下女の疵」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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