能登川町(読み)のとがわちよう

日本歴史地名大系 「能登川町」の解説

能登川町
のとがわちよう

面積:三一・一二平方キロ

郡の北西部、愛知えち川がきぬがさ(観音寺山)山系を迂回して形成した堆積平野に位置する。町内には同川の伏流水が湧き、大同だいどう川・瓜生うりゆう川・躰光寺たいこうじ川となって流れる。西は琵琶湖に面し、北は愛知川を境として彦根市、南から西にかけては安土山・繖山山系と大中だいなかの湖干拓地を挟んで近江八幡市・蒲生がもう郡安土町、南は繖山山系・和田わだ山を境として五個荘ごかしよう町、東は愛知川を境に愛知川町と接する。町内を旧朝鮮人街道(下街道)が通り、ほぼ並行してJR東海道本線(琵琶湖線)が通る。

愛知川河口部の低湿地を利用し、古代から開けていたと思われ、渡来系氏族の神崎郡への配置が町域にも行われた可能性がある。古代の条里遺構も数詞坪地名とともに近年まで各地にみられ、山路やまじには神崎郡八条一二里がほぼ完全に残っていた。安楽寺文書などの中世文書に条里名が記され、乙女浜おとめはま福堂ふくどうの大中の湖辺には水没条里がみられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報