胆嚢腺筋腫症(読み)たんのうせんきんしゅしょう

家庭医学館 「胆嚢腺筋腫症」の解説

たんのうせんきんしゅしょう【胆嚢腺筋腫症】

 胆嚢腺筋腫症(アデノミオマトーシス)は、古くから知られている胆嚢良性腫瘍(たんのうりょうせいしゅよう)の1つですが、その病態については解明されていない点が多くあります。組織学的にみると、胆嚢の粘膜上皮(ねんまくじょうひ)が胆嚢壁の内側にへこみ、増殖(ぞうしょく)したような変化がみられますが、真の腫瘍ではありません。
 若年者から高齢者にわたってみられ、胆石(たんせき)や壁の内部にできる結石(けっせき)を合併していることが少なくありません。鈍痛(どんつう)が主症状のことが多く、腹部超音波検査(ふくぶちょうおんぱけんさ)で発見されることがほとんどです。
 種類は「底部(ていぶ)・限局型(げんきょくがた)」「分節型(ぶんせつがた)」「びまん型」、底部型と分節型が合併した「混成型(こんせいがた)」に分けられています。底部・限局型にはポリープ状にみえるものがまれにあるため、ほかの胆嚢ポリープとの鑑別が問題になることがあります。
 腹痛などの症状がみられることも多く、胆嚢がんとの関連についても注目されているため、手術される例も少なくありませんが、無症状の人に対する治療方針については見解が定まっていません。

出典 小学館家庭医学館について 情報