羽衣石村(読み)うえしむら

日本歴史地名大系 「羽衣石村」の解説

羽衣石村
うえしむら

[現在地名]東郷町羽衣石

長和田なごうた村の南、羽衣石川上流の谷間に位置する。上石とも記された(正保国絵図など)南方に枝村十万寺じゆうまんじがある。羽衣石の地名の由来は、貞治五年(一三六六)南条氏が当地に城を築くに際し、その山を「崩岩ノ山」といっていたのを嫌い、「君か代は天の羽衣まれにきて」の古歌にちなんで改めたことによるという。また天女降臨の伝説もあり、山頂近くには羽衣を干したといわれる羽衣はごろも石がある。康安二年(一三六二)六月三日、山名時氏父子が五千四〇〇余騎を率いて当地を出発し、美作国院庄いんのしよう(現岡山県津山市)に赴いたという(山名家譜)。「多聞院日記」天正五年(一五七七)六月二九日条に「伯耆ノ羽衣士うえし」とみえ、当地から来た山伏が多聞院英俊の孫の弥七から託された手紙とともに、英俊への銀二匁一分と針五〇本および母への銀一一匁一分と針五〇本を届けている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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