美波(読み)みなみ

改訂新版 世界大百科事典 「美波」の意味・わかりやすい解説

美波[町] (みなみ)

徳島県南東部,海部かいふ)郡の町。2006年3月日和佐(ひわさ)町と由岐(ゆき)町が合体して成立した。人口7765(2010)。

美波町中西部の旧町。海部郡所属。人口5792(2000)。太平洋に面し,JR牟岐(むぎ)線が通じる。《和名抄》に和射(わさ)郷とある。日和佐川河口右岸城山に16世紀に日和佐山城が築かれ,河口には滝が,右岸には四国八十八ヵ所23番札所の薬王寺があって,現在の市街地が形成されていった。港は江戸時代から県南有数の漁港として知られ,明治中期からは北九州や東シナ海水域への出漁が盛んになり,博多港周辺にはこの町と関係の深い人が多い。現在は県立水産高校もあり,大敷網によるブリ漁,カツオの一本釣りが行われている。薬王寺厄よけ祈願で知られる。また天然記念物に指定されたウミガメ産卵地の大浜海岸,北河内(きたがわち)のタチバナ自生地,明丸のオガタマノキ自生地,千羽(せんば)海崖に臨む南阿波サンライン(ドライブウェー)などの観光資源にめぐまれる。オーストラリア北東部のウミガメ産卵地ケアンズ市と姉妹都市盟約を結んでいる(現在は美波町が継承)。
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美波町東部の旧町。海部郡所属。人口3515(2000)。1955年三岐田(みきた)町が阿部(あぶ)村を編入した際,由岐町に改めた。北は阿南市に接し,南は太平洋に臨む漁業と観光の町である。JR牟岐(むぎ)線が通る。山地が多いため農業は振るわないが,米作,ミカンなどの栽培が行われ,養豚,養鶏も行われる。基幹産業は漁業で,アワビサザエ,ハマチ,カツオなどの漁獲が多い。海岸はリアス海岸で小湾入に富み,室戸阿南海岸国定公園に含まれ,伊座利地区には青少年旅行村やキャンプ場がある。田井ノ浜はオオウミガメの産卵地で,夏季は海水浴客でにぎわう。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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