繁貫(読み)しじぬく

精選版 日本国語大辞典 「繁貫」の意味・読み・例文・類語

しじ‐ぬ・く【繁貫】

〘他カ四〙 (「しじ」は繁く、「ぬく」はつき通すの意) 多く貫く。ぎっしりとすきまなく貫く。特に、かいを船ばたにたくさんとりつける。
万葉(8C後)一五・三六一一「大船に真梶之自奴伎(シジヌキ)海原を漕ぎ出て渡る月人壮子(をとこ)
[補注]上代語で、近世和歌における擬古例を除いては「万葉集」等の上代用例に限られる。「大船に真梶シジヌキ」という慣用用法が圧倒的に多く、全例がその上に三音節語の「真梶(まかぢ)」「真櫂(まかい)」「小梶(をかぢ)」を承接している。「しじにぬく」の縮約形と考えられている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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