繁多寺(読み)はんたじ

日本歴史地名大系 「繁多寺」の解説

繁多寺
はんたじ

[現在地名]松山市畑寺町

現在この地の人たちは「ばんた」寺とよぶ。畑寺はたでら村の東端に近い小丘上に位置し、西北方に松山城を望見する。境内繁多寺ばんたじ池があった。

東山瑠璃光院といい、真言宗豊山派本尊薬師如来。寺伝によると、孝謙天皇勅願寺で京都泉涌せんにゆう寺との関係が深く、弘安二年(一二七九)に蒙古退散の祈願がここで執行されたという。かつて七堂伽藍が整備し、一二〇の末院、三六の僧房があったが、兵火のため焼失したと伝えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「繁多寺」の解説

繁多(はんた)寺

愛媛県松山市、松山市街を望む高台にある真言宗豊山派の寺院。“繁多”は「ばんた」「はた」とも読む。山号は東山、院号は瑠璃光院。本尊は薬師如来。孝謙天皇の時代の創建と伝わる。四国八十八ヶ所霊場第50番札所。時宗の開祖、一遍上人の修行の地として知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android