縁取(読み)へりとり

精選版 日本国語大辞典 「縁取」の意味・読み・例文・類語

へり‐とり【縁取】

〘名〙
① へりをつけること。また、へりをつけたもの。
評判記・色道大鏡(1678)二「すそは、山道・つかみ染・端(へり)とり、品々仕立あり」
② へりをつけたように、花弁周辺だけ色が異なっていたり、はっきりとした濃淡があること。また、そのような花。
③ へりをつけた茣蓙。縁取茣蓙(へりとりござ)
※俳諧・富士石(1679)三「縁(へり)取や寝肌の七符けさの秋〈調知〉」
ふちビロード、革、ラシャなどをつけた草履。縁取草履(へりとりぞうり)
※雑俳・太箸集(1835‐39)二「巻舌・へりとり片足はいて居る」

ふち‐どり【縁取】

〘名〙 (「ふちとり」とも)
① 物の周囲やへりに飾りをつけること。また、そのもの。
※日本人アンナ(1929)〈川端康成〉「黒い革の馬蹄型の小銭入だが、赤い線の縁取(フチト)りが女のしるしだった」
② 特に洋裁で、衣服の襟、袖口、裾などに別の布をつけて整えたり飾ったりすること。また、その飾り。

へり‐ど・る【縁取】

〘他ラ五(四)〙 物のふちに装飾をつける。へりを目立つようにする。また、まわりをとりかこむようにする。ふちどる。
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉六「大都会の周囲を縁取(ヘリド)れる各小貧窟の裏々をさまよひて」

ふち‐ど・る【縁取】

〘他ラ五(四)〙 ふちをつける。物の周囲やへりに沿って細工をほどこす。ふちをとる。
※文づかひ(1891)〈森鴎外〉「黄羅紗とみどりと白との縁取りたる『リフレエ』を着て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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