緩慢・寛慢(読み)かんまん

精選版 日本国語大辞典 「緩慢・寛慢」の意味・読み・例文・類語

かん‐まん クヮン‥【緩慢・寛慢】

〘名〙 (形動)
① ゆるやかで遅いこと。また、そのさま。
往生要集(984‐985)大文二「善行人命尽時。地水先去。故緩縵無苦」
※栄花(1028‐92頃)鶴の林「臨終の折は、〈略〉善根の人は地水まづ去るが故に、緩慢(クヮンマン)して苦しみなし」
② 動作や性質がゆったりしていること。のろいこと。また、そのさま。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉一五「全く何の目的もなしに猶緩漫(クヮンマン)歩行を約十五分許続けた」 〔白居易‐江上対酒詩〕
処置が手ぬるいこと。また、そのさま。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙一一「あんまり理論ばかり講じ過ぎるから、実地進退(かけひき)が緩漫(クヮンマン)不可(いかん)」 〔春秋左伝注‐桓公一八年〕

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