素敵・素的(読み)すてき

精選版 日本国語大辞典 「素敵・素的」の意味・読み・例文・類語

す‐てき【素敵・素的】

(「すばらしい」の「す」に「てき(的)」のついたものという。「素敵」はあて字)
[1] 〘形動〙
① 程度がはなはだしいさま。度はずれたさま。滅法。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「すてきに可愛がるから能(いい)
歌舞伎曾我梅菊念力弦(1818)三立「『お二人で十八杯あがりました。丁度三百でござります』『そいつは素敵(ステキ)だの、てめえ、銭はあるか』」
② 非常にすぐれているさま。すばらしい。
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「壱歩出しゃア、すてきなやつが買らアな」
※或る女(1919)〈有島武郎〉「愛子は、ふむ、これは又素的な美人ぢゃないか」
[2] 〘名〙 「すてき(素敵)(一)②」のような人。特に、美人。
※歌舞伎・綴合新著膝栗毛(1863‐80)二幕「親方衆に素敵(ステキ)を見せに、一緒に連れて来ようわいなア」
[語誌](1)(一)①が本来の意味であり、一九世紀初頭ころから、江戸のやや俗な新しい流行語として、庶民の間で用いられはじめたものらしい。
(2)明治に入ると、(一)②の意味に限定されてくる。
(3)初期の例は多く仮名書きであるが、後に「素的」の表記が広まり、昭和以降は次第に「素敵」が一般化したようである。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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