紋別町(読み)もんべつちよう

日本歴史地名大系 「紋別町」の解説

紋別町
もんべつちよう

大正八年(一九一九)から昭和二九年(一九五四)まで存続した紋別郡の町。大正八年五月紋別村が改称して成立。同一〇年四月一級町村制を施行した。同年一〇月国鉄名寄線(のち名寄本線)名寄―遠軽えんがる(現遠軽町)間が全通、同一二年一一月には北見滝ノ上きたみたきのうえ(現滝上町)渚滑しよこつ間に国鉄渚滑線が開通し、入植者の陸路が確保された。大正期に入ると動力付漁船が出現、漁業形態が沿岸浅海漁業から逐次沖合漁業に転換した。大正一一年九月二九日の大暴風による海難事故は船舶の避難港の完備を促すことになり、同一二年から紋別港築港が着手され、昭和五年に完成をみた(紋別市史)。同年四月一五日、繁華街一角から火災が発生、折からの強風にあおられ市街地目抜通りに延焼し、戸数九三二戸のうち二八一戸が焼失、人口三千七五七人のうち被災者は一千四六四人に上り、警察署・郵便局・登記所・水産組合事務所・漁業協同組合事務所や岩倉商店・池沢商店・遠藤商店などの大店舗も焼失した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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