糺森(読み)ただすのもり

世界大百科事典 第2版 「糺森」の意味・わかりやすい解説

ただすのもり【糺森】

歌枕。京都市左京区下鴨にある,高野川賀茂川の合流点の2川に挟まれた三角形の森。森の北辺に下鴨神社(賀茂御祖(みおや)神社)があり,中央に摂社の河合神社(式内社小社宅(おこそべ)神社,祭神は多々須玉依比売(ただすたまよりひめ)命)がある。偽りを正す神として朝野信仰が厚く,《源氏物語》では光源氏も須磨退去に際し,参詣し〈憂きをば今ぞ別るるとどまらむ名をば糺の神にまかせて〉と詠んでいる。また鴨長明はこの社の禰宜(ねぎ)に補せられることを願って果たさず,世をはかなんで遁世した。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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