精銭(読み)せいせん

精選版 日本国語大辞典 「精銭」の意味・読み・例文・類語

せい‐せん【精銭】

〘名〙
精良銭貨中世から近世初頭にかけて海外から移入された各種の銭貨が通用したが、それを模した粗悪なものが私鋳され、また移入銭のなかにも流通久しく磨損はなはだしい粗悪なものもまじっていた。これら粗悪な銭と区別して、銭容の整っている原銭(元銭(もとせん))をいう。
※蜷川文書‐三集・永正五年(1508)八月五日「せいせんのぎ」
多聞院日記‐永祿八年(1565)一二月二五日「近般以之外精銭之間、制札分、卅之定之」

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デジタル大辞泉 「精銭」の意味・読み・例文・類語

せい‐せん【精銭】

ぜにによって選びとられた良質の銭貨。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「精銭」の意味・わかりやすい解説

精銭
せいせん

撰銭

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「精銭」の意味・わかりやすい解説

精銭
せいせん

撰銭」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の精銭の言及

【永楽通宝】より

…永楽銭は東国でとくに重んじられた。後北条氏は1564年(永禄7)貢租の銭納に精(善)銭を,81年(天正9)精銭に代え永楽銭を充当した。精銭,永楽銭のみによる銭納は困難ゆえ,米麦,絹布,黄金などで代納もさせた。…

【撰銭】より

…〈えりせん〉〈よりぜに〉〈せいせん(精銭)〉ともいう。平安時代には政府鋳造の粗悪な貨幣,私鋳銭,文字や輪郭の磨耗している貨幣などを選び排する行為があり,これを〈択銭(たくせん)〉と称した。…

【銭】より

…中国渡来銭の流通が軌道に乗るようになると,室町時代には中国銭を形態のうえから阿堵(あと),鳥目(ちようもく),鵝眼(ががん)などと呼び,また使用の面から御脚,用途,料足などととなえるようになった。中国銭の国内通用が盛んになると,中国官鋳制銭をモデルにして造られた私鋳銭や模造銭が現れ,官銭は一般に良銭,精銭と呼ばれ,私鋳銭,模造銭は悪銭または鐚銭(びたせん)ととなえられた。精銭と悪銭とが並んで用いられたので室町時代には撰銭(えりぜに)の現象が生じ,悪銭はその使用に際して割り引かれたり,排除される傾向が生じた。…

※「精銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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