米沢市立上杉博物館(読み)よねざわしりつうえすぎはくぶつかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「米沢市立上杉博物館」の意味・わかりやすい解説

米沢市立上杉博物館
よねざわしりつうえすぎはくぶつかん

山形県米沢市丸の内にある博物館。 1930年に米沢郷土館として設置されたのが始りで,38年市制 50周年記念に米沢市に移管,66年に新館米沢城跡上杉謙信を祀る上杉神社境内に完成し,翌 67年現名称に改められた。狩野永徳筆とされる紙本金地著色『洛中洛外図』屏風1双は 95年,国宝に指定された。天正2 (1574) 年,織田信長が上杉謙信に贈ったと伝えられるこの作品は,京の市街地 (洛中) と郊外 (洛外) を上方から描いており,右隻,左隻各6扇全面にあしらわれている金が京の景観をきわだたせている。右隻第6扇,左隻第1扇に押された印が狩野永徳のものとされるが,描かれている絵の内容と永徳の年代が異なることから異論もあるものの,美術的価値だけでなく民俗,風俗研究資料としても貴重である。

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