箕輪町(読み)みのわまち

日本歴史地名大系 「箕輪町」の解説

箕輪町
みのわまち

面積:八五・五七平方キロ

上伊那郡の北部に位置し、北は辰野たつの町、西は緩傾斜の山麓台地を経て中央アルプス(木曾山脈)北端に接し、東は狭小な台地で伊那山脈となり、諏訪市・高遠たかとお町に接する。南は南箕輪村伊那市に隣接し、町の中央を天竜川が南流する。

現今の中心集落は松島まつしま木下きのしたであるが、古来からこの地方の中心は時代とともに移動したと考えられる。木下を中心とする広範囲な箕輪遺跡は縄文期から始まり弥生期を頂点とする大農耕遺跡であり、松島の王墓の成立は六世紀末から七世紀初頭と推定され、この地方としては珍しい前方後円墳である。

小河内おごうち上の平うえのだいら城跡は平安末期における伊那源氏の発祥地とされ、北小河内の無量むりよう寺の阿弥陀如来像は平安末期から鎌倉初期の蕗原ふきはら庄の栄えたなごりをとどめている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「箕輪町」の意味・わかりやすい解説

箕輪〔町〕
みのわ

長野県中部,伊那盆地の北部にある町。 1955年中箕輪町と箕輪村,東箕輪村が合体して成立。天竜川の両岸にわたり,中心集落は西岸の段丘上の松島と木下。かつては製糸木材などの工業が盛んであったが,現在は時計などの精密機械工業が発達。農村部では米作とともにナシ栽培が行われる。東部にある萱野高原は夏季キャンプ場としてにぎわう。古寺の無量寺には重要文化財の阿弥陀如来像がある。天竜川沿いを JR飯田線,国道 153号線が通り,中央自動車道の伊北インターチェンジがある。面積 85.91km2。人口 2万4989(2020)。

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