竹松村(読み)たけまつむら

日本歴史地名大系 「竹松村」の解説

竹松村
たけまつむら

[現在地名]大村市竹松町・竹松本町たけまつほんまち小路口町おろぐちまち小路口本町おろぐちほんまち坂口町さかぐちまち原口町はらぐちまち古賀島町こがしままち今津町いまづまち富の原とみのはら大川田町おおかわだまち鬼橋町おにばしまち宮小路みやしようじ黒丸町くろまるまち

大村の北にあり、北部でこおり川が内海に注ぐ。郡川下流域は郡内で最大の平野部で、河口部の左岸側にあたる現沖田おきた町・黒丸町・宮小路にかけて条里がみられる。この沖田黒丸条里はN一六度Wの方位に約八〇の坪数が確認されるが、数詞坪地名はつぼ(黒丸町域)のみで坪並は復原できない。当地名を名字の地とする武松氏がおり、元応二年(一三二〇)彼杵そのき庄雑掌の年貢未進に対する訴訟に勝ったが履行されないと訴え、鎮西探題は武松七郎入道にすみやかに納入するよう命じた(同年三月一二日「鎮西御教書」尊経閣文庫蔵古蹟文徴)。入道は日宇氏らと同じく彼杵庄大村一分領主であった(元応二年某月二七日「東福寺領肥前国彼杵庄文書目録案」東福寺文書、嘉暦四年七月三日「東福寺領肥前国彼杵庄文書目録」正慶乱離志裏文書)。貞和六年(一三五〇)九月、足利直冬が肥前国に派遣した今川直貞のもとで武末授が戦っている(同月一〇日「足利直冬感状案」伊万里文書)

竹松村
たけまつむら

[現在地名]南足柄市竹松

東は曾比そび(現小田原市)牛島うしじま村・宮台みやのだい(現足柄上郡開成町)、西は怒田ぬだ村、南は和田河原わだがはら村、北は壗下まました村と接し、矢倉沢やぐらさわ往還が北東から南へ通る。小田原衆所領役帳に小野兵庫助「八拾五貫四百五拾文 西郡竹松郷」、中村平三郎買得「廿貫文 竹松之内」とある。

近世は小田原藩領。元禄郷帳に対して天保郷帳では一二三石余増加している。享保六年(一七二一)の村明細帳(二宮尊徳全集)によれば、田六八町余、畑八町六反余、大口おおくち堤からの用水を用いた。宝永四年(一七〇七)の富士山噴火による降砂と翌年の酒匂さかわ洪水による被害は大きく、田畑屋敷ともに石川原となったため村民は怒田村に一八軒が借地、残る二八軒が弘西寺こうさいじ村の御林に小屋掛けして住み、幕府は食料を補助し、府川ふかわ(現小田原市)・怒田村・弘西寺村などの御林を貸付けたが餓死者や出稼人が続出(享保五年「水損十五ヶ村願書」明大刑博蔵)、宝永四年から享保六年にかけて家は九一から四一(小百姓三〇・無田七・水呑四)、人数も餓死・病死二〇九、出稼一八三などで五七七から一八八に激減、馬数は五八から皆無となっている(村明細帳)

竹松村
たけまつむら

[現在地名]田主丸町八幡やわた

柳瀬やなせ村の西に位置する。屋敷地はふる川に沿った築廻堤の西側にある(上三郡絵図)。建武四年(一三三七)九月四日の一色道猷宛行状写(照円寺文書/南北朝遺文(九州編)一)によると、松延九郎跡の「竹野本庄武松村」田地一五町の地頭職が隈三郎入道西智に勲功の賞として宛行われている。松延九郎については不明だが、隈三郎はくま村の領主であろう。応永二九年(一四二二)一〇月二〇日に死去した永松頼久は大友親世から筑後のうち竹松一〇町を勲功の賞として宛行われた(豊後永松氏系図)。永禄(一五五八―七〇)頃、大友義鎮竹野たかの郡のうち守部新左衛門尉上表の地である竹松一五町のうち五町分を豊後の小田原帯刀左衛門尉に預け置いている(一一月一九日「大友義鎮知行預ケ状」小田原文書/大分県史料一〇)

竹松村
たけまつむら

[現在地名]松任市竹松町

なり村の北に位置し、枝村に五間町ごけんちようがある。中世には武松と記した。「蔭涼軒日録」寛正六年(一四六五)六月一八日条に武松村がみえ、奉公衆大館又次郎が岩室某(富樫氏被官か)と共謀してこれを押領、加賀北半国守護赤松政則被官浦上美作守から訴えられている。永禄四年(一五六一)九月、春日局は竹松等を井上新五郎に売却した(同月一八日「諏訪晴長書状」古文書集)

竹松村
たけまつむら

[現在地名]三国町竹松

三国湊の東方、竹田たけだ川・兵庫ひようご川の合流地点より北方の自然堤防上に位置する。正保の越前国絵図では福井城下金津かなづ宿(現金津町)からの二本の道が、竹田川対岸にある西今市にしいまいち村で合し、四日市よつかいち橋を渡り、当村を経て三国湊に通じている。

「河口庄綿両目等事」(大乗院文書)にある正応三年(一二九〇)の坪江下郷の検注記録には、各善番頭支配下の在家名として「武松」が記されており、当村の起源をなすものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android