立竦(読み)たちすくみ

精選版 日本国語大辞典 「立竦」の意味・読み・例文・類語

たち‐すくみ【立竦】

〘名〙 (「たちずくみ」とも)
① 立ったまま動けなくなること。
太平記(14C後)二八「自劒を抜て己が首を掻落し、左の手に差挙て、立すくみにこそ死給ひける」
日葡辞書(1603‐04)「Tachizucumini(タチズクミニ) ナッテ シヌル」
斎宮(いつきのみや)で「仏」を忌んでいう。
※米沢本沙石集(1283)一「三宝の名をもただしくいはず、仏けをばたちすくみ、経をば染め紙み」

たち‐すく・む【立竦】

〘自マ五(四)〙
身動きもしないで、じっと立ち続ける。
源氏(1001‐14頃)宿木「やうやう腰いたきまでたちすくみ給へど」
② 立ったままの姿勢で、体が動かなくなる。驚きや恐怖などで、立ったまま動けなくなる。
※宇治拾遺(1221頃)一〇「しかるに、火をともし、太刀をぬき、目をみはりて、各々たちすくみて」

たち‐すくば・る【立竦】

〘自ラ四〙 =たちすくむ(立竦)
浄瑠璃・浦島年代記(1722)二「ちっ共うごかず立すくばり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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