立波・立浪(読み)たつなみ

精選版 日本国語大辞典 「立波・立浪」の意味・読み・例文・類語

たつ‐なみ【立波・立浪】

〘名〙
衣服の模様。波の逆巻いている様子を図案化して染め出したもの。江戸中期に流行し、町奴などの着物や食器などの絵柄として用いられた。
※俳諧・物種集(1678)「神農のとっと昔の春立て〈江雲〉 袖なし羽織すそに立浪玖也〉」
※浮世草子・好色二代男(1684)五「あらはれ渡る、瀬々の立浪(タツナミ)の羽織」
② 紋所の名。逆巻く波のさまを図案化したもの。一頭波から八頭波までの図柄がある。
※俳諧・紅梅千句(1655)一〇「竜王のあがるとぞきく与謝の海〈貞徳〉 車の紋かたつ波の紋〈正章〉」
端午節供に立てる幟(のぼり)の一種。上部にその家の紋、下部に波頭の立った模様を染め出したもの。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一「立浪をもう風呂敷にして仕まひ」
④ 日本建築で、筆返しのような形をした模様や繰形。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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