福与村（読み）ふくよむら

日本歴史地名大系

福与村
ふくよむら

• 長野県：下伊那郡
• 松川町
• 福与村

[現在地名]松川町生田（いくた） 福与

天竜川の東岸の一帯で、北は部那（べな）、東は峠（とうげ）、南は河野（かわの）（現豊丘（とよおか）村）、西は天竜川を挟んで新井（あらい）・古町（ふるまち）に接する。

天正（一五七三―九二）の頃は大島氏の領有、元和三年（一六一七）より飯田脇坂氏、その後、千村氏預り所・宮崎備前守知行所・幕府領・知久氏預り所・堀氏領有・知久氏預り所・白河藩領・幕府領と支配の変遷がみられる（長野県町村誌）。

天正一九年の信州伊奈青表紙之縄帳に「一、上三百八拾石七斗五升壱合　大島福与共ニ」、正保四年（一六四七）の信濃国絵図高辻に「一、高三百三拾石余　部那福与村」、元禄一五年（一七〇二）の信濃国郷帳に「一、高弐百四拾七石四斗六合四勺弐才　福与村」、天保五年（一八三四）の信濃国郷帳に「一、高六百八拾七石四升五合福与村、古者福与村・中山村・長峰村三ケ村」とある。

福与村
ふくよむら

• 長野県：上伊那郡
• 箕輪町
• 福与村

[現在地名]箕輪町大字福与

天竜川の東岸の沖積地は狭く、段丘上は東山麓まで急傾斜で起伏が多く、鎌倉沢（かまくらざわ）・判（はん）ノ木沢（きざわ）・吉田（よしだ）ヶ沢（ざわ）などの天井川が発達している。村はこの段丘上にあり、北は三日町（みつかまち）村、南は福島（ふくしま）村、八手（やつで）村（ともに現伊那市）に接する。

村名の初見は天正六年（一五七八）の下諏訪春秋両宮御造宮帳で「一春宮二鳥居造　伊那郡手良郷　福与　下手良　手良中坪　福島　手良野口　都合拾貫八十(百カ)七拾文」とある。

天文一四年（一五四五）武田信玄のために落城した藤沢頼親の居城福与城は今日もその跡を残している。

当村は箕輪南宮（みのわなんぐう）社の鹿踊の奉納村で、福島村とともに一年おきに奉納を行っている。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」