朝日日本歴史人物事典 「神田松鯉(初代)」の解説
神田松鯉(初代)
生年:天保14.9(1843)
幕末から大正期まで活躍した講談師。江戸九段中坂下の車力宿の子として生まれた。本名玉川金次郎。15歳で初代神田伯山門に入り,伯勇,小伯山を経て明治3(1870)年師名を継いだ。講談速記として『徳川天一坊』『村井長庵』『白浪五人男』などを残しているが,皆先師譲りの大岡政談物である。明治37年弟子の小伯山を3代目にして神田松鯉と改名。大正期には雑誌『史談文芸』に得意とした「宋朝水滸伝」を連載した。なお,子の悦太郎はのちの2代目松鯉。<参考文献>倉田喜弘『明治の演芸』5~8巻,吉沢英明『講談大正編年史』
(吉沢英明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報