神牛石社(読み)しんぎゆうせきしや

日本歴史地名大系 「神牛石社」の解説

神牛石社
しんぎゆうせきしや

[現在地名]久御山町佐山

佐山さやま集落の中央部に位置する。一坪余の堂の中に神牛石が祀られる。俚伝によると、神牛石は天喜元年(一〇五三)浄福じようふく(江戸時代は現久御山町双栗神社神宮寺)を創建した仁海の感得によって出現し、寛元元年(一二四三)叡尊によって堂宇が建てられたという。その後、山福さんぷく(江戸時代は双栗神社神宮寺)蓮池の中に沈んでしまった。天正年間(一五七三―九二)中良元が夢告により池中より掘出して祀ったという。また日本に赤・白・黒の三種類の神牛石があり、一つは上野国、一つは琵琶湖中にあり、この神牛石はそのうちの黒石であるともいう。延宝四年(一六七六)の椏本八幡宮縁起(中家蔵)の山福寺の条に「此寺門の内に昔より大石あり、人是を神牛石といふ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報