神島(三重県)(読み)かみじま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「神島(三重県)」の意味・わかりやすい解説

神島(三重県)
かみじま

三重県東部、伊勢(いせ)湾口に並ぶ島列の東端にある島。鳥羽市(とばし)に属する。旧神島村。面積0.76平方キロメートル、周囲3.9キロメートルのほぼ円形の島で、最高点は170.9メートル。鳥羽の佐田浜港から約16キロメートル、市営定期船で45分を要するが、愛知県の伊良湖岬(いらごみさき)間とは約4.5キロメートルの距離にある。古くから漁業生業とし、中世近世には流刑地でもあった。周囲はタイ、タコをはじめ魚種の豊富な好漁場である。三島由紀夫(みしまゆきお)がこの島を舞台に小説『潮騒(しおさい)』を書き、映画化(1954)されて以来、観光客が多くなった。水に乏しく天水に頼っていたが、1979年(昭和54)本土から海底送水管が通じた。神島灯台八代(やつしろ)神社に伝えられた伊勢神島祭祀(さいし)遺物(国指定重要文化財)の収蔵庫があり、歩いて島を一周できる遊歩道が整備されている。世帯数184、人口463(2009)。

[伊藤達雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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