社家町(読み)しやけまち

日本歴史地名大系 「社家町」の解説

社家町
しやけまち

[現在地名]博多区祇園町ぎおんまち冷泉町れいせんまち上川端町かみかわばたまち

博多の南西部に位置する。大乗寺前だいじようじまえ町から筋違いで南に延びる南北路に沿う町で、北は今熊いまぐま町・櫛田前くしだまえ町の通りに、南はかわら町・祇園町の通りに画される。南北路を境に西側は櫛田宮の境内地、東側には同宮社司・神官の屋敷が並んでいた(福岡博多近隣古図など)。櫛田宮の社家が住していたことが町名の由来で、櫛田社家町ともいう(「続風土記」「続風土記附録」など)。初め土居町流に属し(続風土記・石城志)、のち新町流に属した(続風土記附録・続風土記拾遺)。ただし「筑陽記」は寺中じちゆう町・やなぎ町とともに流に属さない町として扱っている。元禄三年(一六九〇)には家数一一(続風土記)。明和三年(一七六六)には家数一五・間数一二四間余(石城志)

社家町
しやけちよう

[現在地名]西宮市社家町

西宮町西端部に位置し、西宮神社鎮座地であることと、同社社司の居住地に由来する町名とみられる。天保九年(一八三八)の西宮町石高町数等書上(岡本家文書)によると町方一五町の一。寛文元年(一六六一)の西宮町検地帳写(西宮市役所蔵)に「社家町」とみえ、住民として西宮神社の社家吉井氏ら八人の名を記す。貞享元年(一六八四)の西宮町浜地図(西宮市史)には、社地北側の西安さいあん寺周辺に吉井家をはじめとする社家宅が描かれている。

社家町
しやけまち

[現在地名]敦賀市あけぼの

気比けひ神領三町の一。気比神宮の東、宮内みやのうち町と執当屋敷しつとうやしき町の間にある社家の町。神領のため藩へは地子銀を納入せず、肝煎も置かれない。町方夫役は免除される。寛文三年(一六六三)の敦賀四一町(寛文雑記)および天和二年(一六八二)の同三六町(遠目鏡)には数えられず、享保一一年(一七二六)の家数は一五で(指掌録)、三六町中最少。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の社家町の言及

【門前町】より

…神社の場合は鳥居前町ともいう。ほかに,社寺奉仕者や信仰者が門前に集落を形成した寺内(じない)町や社家(しやけ)町および御師(おし)町があり,それらを合わせて広義の門前町といえる。伊勢神宮鳥居前の伊勢(宇治山田)市(山田),善光寺の長野市,成田不動の新勝寺門前の千葉県成田市,東照宮の栃木県日光市,金刀比羅宮(ことひらぐう)のある香川県の琴平,厳島神社の宮島,出雲大社の鎮座する島根県の大社(杵築(きづき)),高野山門前の和歌山県の高野,近代の宗教都市である天理教本山の天理市などが代表的門前町である。…

※「社家町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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