硫酸銀(読み)りゅうさんぎん(英語表記)silver sulfate

改訂新版 世界大百科事典 「硫酸銀」の意味・わかりやすい解説

硫酸銀 (りゅうさんぎん)
silver sulfate

化学式Ag2SO4。銀の粉末を濃硫酸に溶かす,酸化銀または炭酸銀に希硫酸を加える,硝酸銀溶液に硫酸を加えるなどの方法で得られる。無色光沢ある結晶だが光に当たると徐々に黒変する。比重5.45。融点652℃。1085℃で分解し,銀と二酸化硫黄を生ずる。立方晶系で体心構造をもつが,格子欠陥を有し,そのため水溶液と同程度の異常に高いイオン伝導性をもつ。水100gに対する溶解度0.57g(25℃)。濃硫酸溶液を蒸発すると,酸性塩AgHSO4およびAgH3(SO42が得られる。
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化学辞典 第2版 「硫酸銀」の解説

硫酸銀
リュウサンギン
silver sulfate

Ag2SO4(311.80).銀を熱濃硫酸に溶かすか,濃厚な硝酸銀水溶液に硫酸ナトリウムまたは希硫酸を加えると得られる.無色の結晶または白色の粉末.斜方晶系.密度5.45 g cm-3.融点660 ℃.水に難溶.希硫酸に溶かして再結晶するとAgHSO4を生じる.光に当たると変色する.濃硫酸に溶かした溶液は一酸化炭素を吸収する.分析試薬に用いられる.[CAS 10294-26-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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