砺波市(読み)トナミシ

デジタル大辞泉 「砺波市」の意味・読み・例文・類語

となみ‐し【砺波市】

砺波

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日本歴史地名大系 「砺波市」の解説

砺波市
となみし

面積:九六・二四平方キロ

県西部、礪波となみ平野のほぼ中央部とその東部の丘陵部にあり、北は高岡市、射水いみず大門だいもん町・西礪波にしとなみ福岡ふくおか町、東は射水郡小杉こすぎ町、婦負ねい婦中ふちゆう町・山田やまだ村、南は東礪波郡福野ふくの町・井波いなみ町・庄川町、西は小矢部おやべ市。市域の中央東寄りを庄川が南から北に貫流している。中央部・西部を占める平野の大半は庄川の形成した扇状地で、東部の第三紀層からなる丘陵性の山地庄東しようとう山地との間には、洪積層が堆積する芹谷野せりだにの段丘が南北に細長く横たわる。庄東山地は南方東礪波郡と婦負郡境のうし岳から北に高度を下げ、射水丘陵へと続く。庄川支流の谷内やち川と和田わだ川によって開析され、樹枝状の谷が発達、浅い谷間と地滑りによって形成された緩斜面には、早くから集落が成立していたとみられる。一方、庄川扇状地は度重なる氾濫と河道の変遷によって形成され、旧河道を示す凹地帯や島状または帯状の微高地帯など変化に富んだ地形が発達している。庄川はかつて幾筋かに分れて西寄りを流下し、洪水の度にその主流は東に移った。ほぼ現在の河道に固定されたのは寛文一〇年(一六七〇)からの松川除まつがわいけ築堤工事以後である。江戸時代には旧河道を利用して庄川から取水する用水路が幾筋も整備されて水田化が進み、北陸有数の米作地帯となった。平野一面には水田の中に屋敷林に囲まれて農家が点在する典型的散村集落の光景がみられる。平野部の中央西寄りを南西から北東へJR城端線が通る。同線砺波駅付近の市街地(旧杉木新町)でほぼ南北に走る国道一五六号と東西に走る国道三五九号が交差する。北陸自動車道が東西に横切り、砺波インターチェンジが市街地南方、西端に小矢部砺波ジャンクションが設けられている。

〔原始・古代〕

旧石器時代から古代に至る遺跡のほとんどが庄川右岸にある。旧石器時代の遺跡では、庄東山地に芹谷遺跡・池原いけのはら遺跡が、芹谷野段丘上に高沢島たかざわじま遺跡がある。縄文時代の遺跡では芹谷野段丘上の厳照寺ごんしようじ遺跡・上和田かみわだ遺跡・高沢島遺跡・宮森新北島みやもりしんきたじま遺跡などがあり、段丘下でも東保石坂ひがしぼいしさか遺跡や徳万とくまん遺跡が知られる。南東栴檀山せんだんやま地区にはバナナ形石器が採集された孫子そのこワバラ遺跡、御物石器が出土した中尾なかお遺跡などがある。弥生時代の遺跡では福山大堤ふくやまおおづつみ遺跡と安川野武士やすかわやぶし遺跡があげられる。須恵器の生産を行った窯跡は数多く、芹谷野段丘裾の宮森窯、増山ますやま地内の亀田かめだ窯・団子地だごじ窯、やや南の福山窯や福山大堤窯など、八世紀から一〇世紀頃まで生産された。

律令制下では礪波郡に属した。

砺波市
となみし

2004年11月1日:砺波市と東礪波郡庄川町が合併
【庄川町】富山県:東礪波郡
【砺波市】富山県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「砺波市」の意味・わかりやすい解説

砺波〔市〕
となみ

富山県西部,庄川扇状地である砺波平野のほぼ中央にある市。 1952年出町 (でまち) と林村,油田 (あぶらでん) 村,庄下 (しょうげ) 村,中野村,五鹿屋 (ごかや) 村の5村が合体して砺波町となり,1954年南般若村,柳瀬村,太田村,東野尻村,高波村,栴檀山 (せんだんやま) 村,栴檀野村,般若村,東般若村の9村を編入し市制。 1955年鷹栖村,1957年若林村の一部を編入。 2004年庄川町と合体。中心市街地の出町は慶安2 (1649) 年に杉木新町として町立てを許されて以来,市場町として,また交通の要所として発展。加賀藩の奉行所や明治政府の郡役所が置かれるなど,砺波地方の行政中心地でもあった。商業が盛んであるほか電機部品,黄銅製品,印刷,酒造などの産業が行なわれる。農村部には扇状地開拓に起源するといわれる散村が広く展開している。種田地区と中野地区は良質の種籾の産地。 1918年庄下地区で始まった裏作のチューリップ栽培が盛んとなり,球根は国内のほか,アメリカ合衆国,カナダなどに輸出される。開花期にはチューリップフェアが開かれる。ケヤキ,トチノキ,マツを材料にした白木地模様の木工品は伝統工芸品として有名。庄川峡,庄川温泉郷が知られるほか,五箇山への観光基地でもある。中央部を JR城端線,国道 156号線が南北に通り,国道 359号線,北陸自動車道が横断,インターチェンジがある。面積 127.03km2。人口 4万8154(2020)。

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