石瀬野(読み)いわせの

日本歴史地名大系 「石瀬野」の解説

石瀬野
いわせの

「万葉集」巻一九の長歌および短歌にみえる地名。その歌詞によれば、秋萩咲きにおう原野で、大伴家持は越中離任に際して石瀬野で初鷹狩をせず去ってゆくなごり惜しさを歌っており、家持遊猟の地であった。「和名抄」に新川郡石勢いわせ郷、「延喜式」の駅名にも磐瀬いわせ駅があり、いずれも現在の東岩瀬・西岩瀬付近に比定されるので、石瀬野も同地にあてる説がある。ただし現高岡市にあった国府から鷹狩に行くにはいささか遠すぎるのが難で、現高岡市石瀬いしせの地に比定する説もあって、多くの学者がこれを支持しているが、古代文献に地名がみえる新川郡岩瀬説も捨てがたい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android