石榴風呂(読み)ざくろぶろ

精選版 日本国語大辞典 「石榴風呂」の意味・読み・例文・類語

ざくろ‐ぶろ【石榴風呂】

〘名〙 石榴口のある風呂。
咄本醒睡笑(1628)一「たてあけの戸なきを柘榴風呂とは、なんぞいふや。かがみいるとの心なり」
[語誌]蒸し風呂(蒸気浴)と洗い場風呂(温湯浴)の折衷として、蒸気を逃がさないように、浴槽と洗い場との間に板戸を設け、この板戸の下をかがんでくぐって入浴する。「石榴」の語は、鏡磨きに弱酸性のザクロの汁を用いたところから、「屈み入る」と「鏡要(射)る」に掛けた洒落。この風呂の構造は江戸銭湯に長く受け継がれた。

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