精選版 日本国語大辞典 「知召」の意味・読み・例文・類語
しろし‐め・す【知召】
〘他サ四〙 (「しらしめす(知召)」の変化した語)
① お知りになる。承知しておられる。おわかりでいらっしゃる。
※源氏(1001‐14頃)若紫「『なにがし、此の寺にこもり侍り』とは、しろしめしながら」
② お治めになる。天皇が統治なさる。しらしめす。
※平家(13C前)一一「ただ世のみだれをしづめて、国をしろしめさんを君とせん」
③ 管理なさる。また、お世話なさる。
※源氏(1001‐14頃)須磨「御倉町、納殿などといふことまで、少納言をはかばかしきものに見置き給へれば、〈略〉しろしめすべきさまどものたまひ預く」
[補注]「しろす」という単独の語形の確例はなく、「しらしめす」の形から「しろしめす」に変化したものと考えられる。平安時代以降は「しろしめす」の例だけであるが、上代では、「しらしめす」の例だけで、「しろしめす」の確例はない。
しらし‐め・す【知召】
※古事記(712)上「故、各依(よ)さし賜ひし命の随(まにま)に、所知看(しらしめす)中に、速須佐之男の命、命(よ)さしたまへる国を治(し)らずて」
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