精選版 日本国語大辞典 「知せる・報せる・領せる」の意味・読み・例文・類語
しら‐・せる【知せる・報せる・領せる】
[一] 「せる(す)」が使役の意の場合。
① 他の人が知るようにする。物事の状態、出来事、考えなどを他に伝える。告げ聞かせる。通知する。しらす。
※万葉(8C後)二〇・四三六六「常陸さし行かむ雁もが吾が恋を記(しる)して付けて妹に志良世(シラセ)む」
② 経験させる。
※西宮左大臣集(982頃)「袖の色のこく成りぬればわが恋をしらせそめつる涙なりけり」
③ (「しる」は、治める、領ずるの意) 治めさせる。また、家などを相続させる。しらす。
[二] 「せる(す)」が敬意を強める意の場合。(「しらせたまふ」の形で用いて) お治めになる。また、領有なさる。御相続になる。
※栄花(1028‐92頃)見はてぬ夢「一条殿をば、今は女御こそはしらせ給へ」
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