真珠養殖:島の経済活動を伝える遺産(読み)しんじゅようしょく しまのけいざいかつどうをつたえるいさん

世界遺産詳解 の解説

しんじゅようしょく しまのけいざいかつどうをつたえるいさん【真珠養殖:島の経済活動を伝える遺産】

2012年に登録された世界遺産(文化遺産)。真珠採取の古くからの伝統をもつバーレーンのムハーラク島では、やがて真珠貝の養殖技術が登場し、18世紀から20世紀初頭まで真珠を中心とする貿易によって大いに繁栄した。1930年代には、養殖技術の急速な発達・普及によって真珠価格が急落し、バーレーンでの真珠産業は衰退するが、それまでの繁栄の様子を語る遺産類が世界遺産に登録された。登録資産には、ムハーラク市内のマヘル城砦や商人の店舗と倉庫、モスク、富裕な商人たちの邸宅など、計17の建築物、沖合い3ヵ所の真珠養殖棚、明媚海岸の一部、真珠養殖棚に向かう船の停泊するムハーラク島南端の要塞地などがある。海の生態系を破壊することなく海洋資源を活用するそのシステムが高く評価されたことが、世界遺産登録の大きな根拠とされた。◇英名はPearling, testimony of an island economy

出典 講談社世界遺産詳解について 情報