相見・逢見(読み)あいみる

精選版 日本国語大辞典 「相見・逢見」の意味・読み・例文・類語

あい‐・みる あひ‥【相見・逢見】

[1] 〘自マ上一〙 (「あい」は接頭語、あるいは「逢い」の意)
① 互いに相手を見る。顔を合わせる。対面する。また、であう。
書紀(720)神代上(水戸本訓)「汝(いまし)猶黒(きたな)き心有り。汝と相見(アヒミ)じ」
万葉(8C後)五・八三五「春さらば会はむと思ひし梅の花今日の遊びに阿比美(アヒミ)つるかも」
② (特に、男女が互いに見る、の意で) 男女が肉体関係を結ぶ。男女が深い契りを結ぶ。結婚する。
※書紀(720)応神二二年四月・歌謡淡路島 いや二並(ふたなら)小豆島 いや二並び〈略〉吉備なる妹を 阿比瀰(アヒミ)つるもの」
[2] 〘他マ上一〙 (「あい」は接頭語) いっしょに、ある物を見る。
※万葉(8C後)二・二一一「去年(こぞ)見てし秋の月夜(つくよ)は照らせども相見し妹はいや年さかる」
[語誌]((一)について) 上代では動詞と接頭語を書き分ける「古事記」でも「相」と接頭語表記されていて、「互いに眼を見る」の意味が強力だったが、平安時代になると「相手に会ってその眼を見る」意味が優勢となり、アヒが接頭語の用法から動詞の用法に変わっている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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