疑は(読み)うたがうらくは

精選版 日本国語大辞典 「疑は」の意味・読み・例文・類語

うたがうらく‐は うたがふらく‥【疑は】

[1] 〘連語〙 (動詞「うたがう(疑)」の終止形に、接尾語として独立した「らく」と係助詞「は」の付いたもの) =うたがわくは(疑━)
※文鏡秘府論保延四年点(1138)西「窃(ひそかに)(ウタカ)フラクハ、正声の已に失せんことを」
[2] 〘副〙 推量表現を伴って用いることが多い。たぶん。
正法眼蔵(1231‐53)谿声山色「うたがふらくは照覚の無情説法の語、ひびきいまだやまず、ひそかに谿流のよるの声にみだれいる」
[補注]「うたがわくは」より遅れて、院政期ごろから用いられたらしい。

うたがわく‐は うたがはく‥【疑は】

〘連語〙 (動詞「うたがう(疑)」のク語法「うたがわく」に係助詞「は」の付いたもの) そうではないかと思うことには。たぶん。おそらく。うたがうらくは。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇「我も今疑はくは、弟は其の身を捨てつらむ」
[補注]「…と疑う」という表現を倒置して、連用修飾語としたもの。漢文訓読用語

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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