男島・女島(読み)おしま・めしま

日本歴史地名大系 「男島・女島」の解説

男島・女島
おしま・めしま

中世よりみえる島で、男女だんじよ群島をさす。古くから航路の重要な目安となっていたため、早くから史料上にみえる。「策彦入明記」天文八年(一五三九)四月一九日条に記される「雌雄二島」は男島・女島をさすと考えられ、策彦を副使とする遣明船一行はこの日に五島奈留なる(現奈留町)を出て、この二島を望んだようである。嘉靖四〇年(一五六一)の「日本図纂」および同年頃の「万里海防図論」の日本国図、嘉靖四一年の「籌海図編」所載日本国図、また万暦五年(一五七七)の「図書編」の日本国図(文淵閣四庫全書子部)に男島・女島とみえる。一五八四年(天正一二年)、サンタ・クルス号はマカオから中国大陸の沿岸を経て平戸および大村の湊に向かう航海で当島沖を通過、「彼のメアシュマ島の地は、一見すれば高く丸く、最も低き所は南西側なり、島の正面に至れば、末端に城塞の如く見ゆる岩礁あるべし(中略)このメアシュマ島は三四個よりなる島なるが如し、其第一島には丸き二丘あり、他の二島に多数の巌ありて、恰もオルガンの如し」と記している(リンスホーテン編大航路誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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