デジタル大辞泉
「申沙汰」の意味・読み・例文・類語
もうし‐さた〔まうし‐〕【申(し)沙汰】
1 申しのべること。また、弁論すること。
「此の事勝れて―したりける粟飯原下総守清胤、俄に心替はりして」〈太平記・二七〉
2 うわさをすること。評判。取り沙汰。
「定めて御出家もやと、―しける程に」〈盛衰記・三〉
3 事柄を処理すること。取り計らうこと。
「功あらん者には、則ち恩賞を―すべき由返答して」〈太平記・六〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
もうし‐さた まうし‥【申沙汰】
〘名〙
①
理非を論じて
趣意を申しのべること。また、弁論すること。
※
今昔(1120頃か)三一「山階寺の方に指
(させ)る申し沙汰する人无かりけるに依て、其の御裁許不切
(ねむごろなら)ざりければ」
② 特に訴訟の事務手続きを進行すること。裁判所が
裁決を下すこと。
判決をいいわたすこと。
※
吾妻鏡‐元暦元年(1184)一〇月二〇日「諸人訴論対決事、相
二具俊兼、盛時
一、且召
二決之
一、且令
レ注
二其詞
一、可
二申沙汰
一之由、被
レ仰
二大夫属入道善信
一」
③ 事柄を処理すること。とりはからうこと。
※
小島のくちずさみ(1353)「
鳳輦の
帷子を
腰輿に渡して懸けたりしぞ、初めたる事なれど、かくもありぬべき事なる。田舎の民どもさながら見参らせんも忝き事なれば、かやうに申ざたし侍りし也」
④ うわさをすること。評判。取り沙汰。
※右京大夫集(13C前)「人のうれへ申しことのあるをさるべきひとの申さたするをきけば」
※
看聞御記‐応永二三年(1416)二月二九日「今日有御覧、室町殿申沙汰、殊厳重之儀也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報