田主丸村(読み)たぬしまるむら

日本歴史地名大系 「田主丸村」の解説

田主丸村
たぬしまるむら

[現在地名]田主丸町田主丸

現田主丸町のほぼ中央、巨瀬こせ川中流右岸に位置する。日田街道(豊後中道)が通り、在郷町の田主丸町がある。上三郡絵図によると屋敷地は巨瀬川右岸にあり、吉田よしだ(現雲雀川)の北岸に田主丸町・しん町が描かれている。吉田溝左岸(南岸)に地蔵・天神馬場瀬ばばんせ大明神(現馬場瀬神社)、右岸(北岸)には鉤形に田主丸町・新町があって浄土宗法林ほうりん寺、一向宗来光らいこう(現真宗大谷派)、真言宗栄福えいふく(現廃寺)が並び真宮しんぐう森・天神が描かれている。耕地は屋敷周辺および巨瀬川左岸の村島むらじま村周辺にも広がり、植立松・馬場が描かれる。天保七年(一八三六)の田主丸町并村絵図(藤田家蔵)によれば、絵図中央に東西に貫流する雲雀津留ひばりつる用水新川(現雲雀川)が描かれ、南の巨瀬川筋に馬場橋・村島橋がある。町・村の外周は町囲・村囲生垣や藪・雑木で囲まれ、新川沿いに中道なかみち往還(日田街道)が通る。貞和六年(一三五〇)一一月日の六箇里通時申状(池田文書/南北朝遺文(九州編)三)に「竹野東郷田主丸・清恒両名」がみえ、通時が足利直冬に安堵を申請している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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