田中城下(読み)たなかじようか

日本歴史地名大系 「田中城下」の解説

田中城下
たなかじようか

[現在地名]藤枝市田中一―三丁目・立花たちばな二丁目・大手おおて一―二丁目・本町ほんまち一―四丁目・藤枝一―五丁目・水守みずもり

田中藩の藩庁田中城を中心とした城下町。城下町としての機能を果していたのは城の北西に近接する東海道藤枝宿で、侍屋敷地は田中城内、城の北西側の大手周辺、城の南東側の新宿しんしゆく地域の三ヵ所に大別されていた。城の南西側、北東側の御成おなり街道(志太郡鬼島村で東海道から分岐し、田中城平島口に至る)周辺は屋敷化されていなかった。

〔城下の形成〕

近世以前の田中城は武田信玄の整備による三重の堀に囲まれた輪郭式の城郭で、慶長六年(一六〇一)一万石で入封した酒井忠利が四重目の堀を築いて近世城郭としての整備を行ったとされる(藤枝市史)。江戸時代初期の田中城を描いたとされる田中御殿之指図(永青文庫蔵)によると、城は三重の堀に囲まれており、本丸と三の丸の西側部分に殿舎が描かれ、ほかは二の丸・三の丸に建物の記載がわずかに認められるにすぎない。したがって近世初期の侍屋敷は城郭外に設けられていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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