甘木庄(読み)あまぎのしよう

日本歴史地名大系 「甘木庄」の解説

甘木庄
あまぎのしよう

味木庄とも書かれ、今日の上益城郡御船みふね町を中心に北は嘉島かしま町、南は甲佐こうさ町の一部に及ぶ。御船町に甘木、嘉島町北甘木きたあまぎ地名がある。鎌倉初期には六箇ろつか庄などとともに益東郡(郷)とよばれる地域にはいっていたとみられる。天福二年(一二三四)二月一一日の津守保作田人給注文写(阿蘇家文書)に「味木り」がみえるが、津守つもり保は現益城町東部であるから甘木庄内とは考えがたい。当庄の成立経過は不明であるが、嘉元三年(一三〇五)の摂渡庄目録(九条家文書)では平等院領の一荘で、「肥後国 甘木庄平等院料所 教律上人知行之、後公文信盛知行之 年貢三百五十石 凡絹三百疋」とあり、摂関家渡領の一つで平等院領であったことがわかる。また、弘安五年(一二八二)以前の勘解由小路兼仲宛の一一月三日の某寺供僧等書状(兼仲記紙背文書)には、「味木庄当年会料事 如範□法印請文者、此間令秘計候、今明怱令下行候之様、重猶可令申御沙汰歟」とあり、これが平等院の会料をさすことは「兼仲記」同年三月三日条に平等院一切経会のことで「味木庄急用米」の不入が問題にされていることからわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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