瑞龍寺(滋賀県)(読み)ずいりゅうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「瑞龍寺(滋賀県)」の意味・わかりやすい解説

瑞龍寺(滋賀県)
ずいりゅうじ

滋賀県近江八幡(おうみはちまん)市宮内町にある日蓮(にちれん)宗の寺。正しくは村雲(むらくも)瑞龍寺。通称村雲御所(ごしょ)という。日蓮宗唯一の門跡(もんぜき)寺院。尼寺。本尊は一塔二尊四菩薩(ぼさつ)(釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ))。豊臣(とよとみ)秀吉の姉、秀次(ひでつぐ)・秀勝の母羽柴智(とも)の方は、秀勝が朝鮮で戦死し、関白秀次が高野山(こうやさん)で自刃したのち、その菩提(ぼだい)を弔うため出家し、瑞龍院日秀尼(にっしゅうに)と称した。

 寺伝によると、後陽成(ごようぜい)天皇が日秀に京都今出川(いまでがわ)村雲に寺地および寺領1000石を賜い、1596年(慶長1)創建。また徳川家光(いえみつ)は二条城の客殿を寄せ、寺領500石を付したという。代々、有栖川宮(ありすがわのみや)、伏見宮(ふしみのみや)、そのほか皇族・華族などの女子が九条家に入籍したのち、入寺する習わしとなっていた。京都今出川堀川にあったのを、1961年(昭和36)秀次の居城であった八幡城の旧址(きゅうし)へ移転し、おもな堂宇や庭園が移された。村雲地蔵まつり(6月第2日曜日)が行われる。

[田村晃祐]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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