瑕瑾・瑕釁(読み)かきん

精選版 日本国語大辞典 「瑕瑾・瑕釁」の意味・読み・例文・類語

か‐きん【瑕瑾・瑕釁】

〘名〙 (「瑕」は玉のきず、「釁」は透き間。美しい玉の意の「瑾」を当てるのは本来誤用であるが、慣用化されている)
① 物のきず。われめ。いたみ。
※玉葉‐治承三年(1179)一一月一六日「家貽瑕瑾、職付大疵」 〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※信仰之理由(1889)〈小崎弘道〉一「物質界天躰の現象を観察する者は、其鏡面に一点の瑕瑾あれば、之が為め全く其観察を過(あやま)ることある」
欠点短所。あやまち。
文徳実録‐斉衡元年(854)三月甲辰「親王性操貞潔〈略〉至于終身、遂無瑕釁
徒然草(1331頃)一五〇「天下の物の上手といへども、始めは不堪の聞えもあり、無下(むげ)の瑕瑾もありき」 〔史記‐李斯伝〕
③ 恥。不名誉。
平家(13C前)七「行程遅留せしめば、朝廷緩怠の臣として武略瑕瑾のそしりをのこさん事を」
浄瑠璃嫗山姥(1712頃)一「もし我君にかすり矢でも当っては末代かきん

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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