率稲

山川 日本史小辞典 改訂新版 「率稲」の解説

率稲
りっとう

本稲を貸し付けずに,貸し付けた場合の利稲に相当する分の稲だけを徴収するという変則的な出挙(すいこ)の方式(利稲率徴(りつちょう)),またはその方式で徴収する稲。最初から本稲を用意しない点で,弘仁年間を初見とし9世紀後半にはすでに恒常化していた返挙(へんこ)を,より積極的に展開したものといえる。加挙(かこ)稲の設定の際に行われはじめ,10~11世紀に田積にもとづいて賦課されて一般化し,出挙が本来意義を失って地税化するのを促した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android