猿引・猿曳(読み)さるひき

精選版 日本国語大辞典 「猿引・猿曳」の意味・読み・例文・類語

さる‐ひき【猿引・猿曳】

〘名〙
① 猿に種々の芸を教えこみ、これを演じさせて金銭をもらいうけるもの。すでに鎌倉時代からみられる。猿まわし。《季・新年》
三十二番職人歌合(1494頃)二番「猿ひきの枝をゆぶらんことをおそれて、花の陰をよくべきよしのこころづかひ、優にきこゆ」
② 江戸時代の被差別民一種。江戸および関東方面などでは、穢多頭(えたがしら)弾左衛門の配下に属し、その身分は、穢多と非人の中間とされた。江戸では猿飼頭長太夫、門太夫両人が支配した。猿舞だけでなく、厩(うまや)の祓(はらい)も行なった。猿飼い。→穢多非人
浮世草子好色一代男(1682)三「大和猿引(サルひき)、西のみやの戎(ゑひす)まはし、日ぐらしの歌念仏、かやうの類の宿とて、同じ穴の狐川、身は様々に化(ばかす)るぞかし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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